自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」がNHK会長に当てて出した質問状に対しての回答書を以下に全文掲載します。
質問状は13項目にわたって「択一」式で回答を求めましたが、回答者は屁理屈を弄して「択一」を避け、文章で回答して来ました。
これは柔道の試合を申し入れたのに「私どもの趣旨を正確にお伝えするために、択一ではなく・・・」と屁理屈、詭弁を弄して、試合の場をボクシングのリングに変えたようなものです。
「趣旨を正確にお伝えする」のだったら、まず択一で回答した後、文章の回答をつけたらどうですか?
択一では逃げられないと狼狽した河野伸洋エグゼクティブ・プロデューサーの姿が見え見えですね。
質問状は福地茂雄会長宛でしたので、福地会長にも触れておきましょう。
NHKのホームページに福地会長の5月14日の記者会見での発言が出ています。
該当部分を全文紹介します。
「番組を見たが、当時の日本が台湾で行った良いところをいくつも取り上げていたし個人的には内容が一方的だったとは感じなかった。インタビューを偏って編集した事実はなく、2万6000冊の文献や現地の人たちの証言を踏まえて事実に沿って制作したと担当者から報告を受けている。」
福地会長はビール会社の出身ですね。このビールは2万6000回試作を重ねました、と部下が報告しても、自分の舌で試して味を判定するでしょう。
「個人的には内容が一方的だったとは感じなかった」という感想には、理論家、硬骨漢という評判のわりには日本の歴史に疎いのか、「日本人度」が薄いと感じています。 (大谷英彦)
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「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」
会長 衆議院議員 中山成彬様
貴「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長中山成彬様より日本放送協会会長宛に送られた「質問状」について、会長に代わって当該番組の責任者として小職が回答させていただきます。
「質問状」では、計十三の質問に対してそれぞれ択一で回答するよう求められていますが、私どもの趣旨を正確にお伝えするために、択一ではなく文章で答えさせていただきます。どうぞご了承下さい。
(ゴシック体で表示したものは、番組で伝えたコメントです)
それでは、質問順に回答させていただきます。
一と二の「人間動物園」に関して回答させていただきます。
番組では、「日本は、会場内にパイワンの人びとの家を造り、その暮らしぶりを見せ物
としたのです。」、「当時イギリスやフランスは、博覧会などで、植民地の人びとを盛ん
に見せ物にしていました。人を展示する『人間動物園』と呼ばれました。日本は、そ
れを真似たのです」とコメントしています。
日英博覧会についての日本政府の公式報告書「日英博覧会事務局事務報告」によれば、
会場内でパイワンの人びとが暮した場所は「台湾土人村」と名付けられ、「蕃社に模し
て生蕃の住家を造り、生蕃此の所に生活し、時に相集りて舞踏したり」と記されてい
ます。相撲などほかの余興と異なる点は、パイワンの人びとを「土人村」で寝泊まり、
生活させ、その暮らしぶりを見せたことにあります。イギリスやフランスは、博覧会
などで被統治者の日常の起居動作を見せ物にすることを「人間動物園」と呼んでいま
した。日本は、植民地統治の成果を世界に示すために、イギリスやフランスのこうし
たやり方をまねてパイワン族の生活を見せました。日本国内では、日英博覧会の7年
前、1903年、大阪で開催された第5回内国勧業博覧会において、「台湾生蕃」や「北海
道アイヌ」を一定の区画内に生活させ、その日常生活を見せ物としました。この博覧
会の趣意書に「欧米の文明国で実施していた設備を日本で初めて設ける」とあります。
植民地研究の権威であるフランスのブランシャール氏は「人間動物園は、野蛮で劣っ
た人間を文明化していることを宣言する場である」と指摘しています。日英博覧会の
公式報告書にも「台湾が日本の影響下で、人民生活のレベルは原始段階から進んで、
一歩一歩近代に近づいてきた」と記されています。番組では、上記のような史料や研
究者への取材により、日英博覧会でのパイワンの人びとの集合写真に「人間動物園」
という表示をしています。
三と四の「改姓名」に関して回答させていただきます。
朝鮮半島の「創始改名」と台湾の「改姓名」は、1940念2月11日同時に実施され、
ともに皇民化運動の一環でした。
台湾の「改姓名」は許可制でした。番組では「強制的に実施」したとはコメントして
いません。インタビューでも、林(リン)さんが、林(はやし)という名前で改姓名
したかったが、「それ許可(が)でない」と言っています。
また、「全公務員が改姓名」したとはコメントしていません。これもインタビューで、
「(公務員は)改姓名すると昇級の条件になってしまうんです」、それでしかたなしに
改姓名した、と発言者の周辺の事情として伝えています。
五と六の「鉄道」に関して回答させて頂きます。
番組は、縦貫鉄道が「樟脳貿易のために敷設したように」伝えたものではありません
が、縦貫鉄道が樟脳の輸送に役立ったことは台湾総督府の資料で裏付けられます。
また、当時の樟脳貿易に関するデータは「台湾総督府文書」、「台湾樟脳専売志」に記
されています。番組では、後藤新平が「台湾の宝」である樟脳産業を立て直したこと、
そしてこの後藤の改革によって樟脳がイギリスに安定的に供給されるようになり、歓
迎されていることを当時のイギリス側の資料「ミッチェル台湾報告」で伝えています。
さらに、台湾総督府が欧米向けに出版した「台湾十年間の進歩」を紹介し、「台湾歳入」、
「内地貿易」の金額が急増したことも伝えています。
七、番組では「台湾全島に日本の神社を次々にたて、人びとに参拝を強制します。そして、
台湾人がよりどころにしてきた宗教への弾圧が始まります。道教寺院や廟の参拝を制限。建物の取り壊しも始めます。」とコメントしています。
人びとに参拝を強制したことを示す資料は、「台湾時報」(台湾総督府内台湾時報発行
所)があります。また、道教寺院や廟への参拝を制限したことを示す資料として、当時の日本人郡守が記録した「台湾寺廟整理覚書」があります。
八、当時、台湾総督府の官僚だった田宮良策さん(98歳)が「日本語を話せない人はご遠慮下さい、といういい方でバスには乗せなかった」と番組で証言しています。
「行政政策」を裏付ける資料として、「認識台湾」(台湾師範大学の呉文星教授が中心
になって台湾史の研究者が集めた一次資料集)があります。
九、「学校や新聞などで中国語を禁止し、日本語の使用を強要した」ことを裏付ける資料
として「台湾総督府府報」があります。
補足しますと、閩南語(台湾語)も客家語も言語学上は中国語の一方言として位置
づけられており、番組でもそのような意味で「中国語」を使用しています。
十、ご質問には「台湾では、朝鮮と違い日本人の戸籍に入れなかったと受け取れる」と
ありますが、番組は、ある台湾人の方が、親族の事情を語る中で、日本人の妻にな
って「内地」に行った女性が結局戸籍に入れなかったという、個人的に受けた差別
の現実を述べたものです。
十一、日中戦争当時、台湾に500万人の漢民族がいたことは台湾総督府文書に記されて
います。そのほかの人口数なども台湾総督府の史料にあります。
十二、番組では、「この時、アメリカ大統領ウィルソンの発言が、世界の植民地に大きな
影響を及ぼしていました」とコメントしています。
ご質問に記された歴史的事実は承知しております。ウィルソン自身の真意がどこ
にあったかは別にして、「民族自決主義」という発言がヨーロッパの独立に影響を
与え、アジアの植民地に大きな影響を与えたという事実を番組では述べています。
十三、柯徳三さんにはあわせて5時間程度インタビューしています。番組で使用した部
分は、柯さんの発言の趣旨を十分に反映していると考えています。恣意的な編集
はしておりません。なお、NHKは柯徳三さんから抗議を受けておりません。
計十三のご質問に対する回答は以上です。
なお、「質問状」には、「番組が偏った視点で制作されていると、尋常ならざる批判
が巻き起こっている」とありますが、番組制作にあたっては、台湾総督府文書やイギリ
ス、フランスの外交史料をはじめ一次資料を読み込み、国内や海外で数多くの研究者を
取材しております。
また、台湾が親日的であることは多くの日本人が認識していることであり、この番組
でも伝えています。一方そうした台湾にも、植民地時代の差別、戦争の深い傷が残され
ているという事実を伝えることが、日本と台湾のさらに深くて強い関係を築いていくこ
とに資すると考えております。
こうした番組趣旨をどうぞご理解いただきたく、お願い申し上げます。
平成21年5月11日
日本放送協会 ジャパンプロジェクト
エグゼクティブ・プロデューサー 河野伸洋
by 6-4-3
≪NHKを正す会≫やばいぞ産経…